Hotteterre & Co.
総合情報質問箱

July.2013

このページはオトテール商会やその製品・販売
などに関して、皆様から寄せられたいろいろな
お問い合わせの内容をまとめたFAQページです。
順次更新してまいります。


Q1:オトテール商会の楽器はどのような材で製作されていますか?また、材質による音の違いを教えてください。
A1:現在使用しております材では北欧ハードメープル、W.I.Boxwood(S.A.Boxwood)、中国産本柘植、ヨーロッパ産本柘植、アフリカ産黒檀(グラナディラ)、アフリカンパドック材、桜材、オリーブなど使用で製作しています。ご要望に応じ本象牙リング使用や、総本象牙トラヴェルソの製作も致します。特に低価格で良い楽器を提供したいという趣旨でエコトラヴェルソではメープルやW.I.Boxwood(S.A.Boxwood)、Olive woodを使用いたしますが、本柘植や黒檀材などでも低価格の楽器は出来ないこともございません。メープルは柔らかな低音と共に高音にも気品が備わっていますが、柘植材ほど透明感はありません。伝統的な本柘植の楽器は音程や寿命ともそれなりの良い楽器の製作が期待できますが、響きの点では、柘植類似材のより安価なS.A.Boxwood製の楽器でも十分素晴らしい演奏が楽しめます。本黒檀やアフリカ黒檀グラナディラ材は柘植よりもさらに引き締まって、透明感ある安定した音程がしますので、その材そのものの美しさ共々魅力的な楽器となります。ただ、温度変化による割れが生じることがあるので冬場の使用や管理には非常に神経を使わなくてはなりません。いずれにしても一長一短を持っていますが、それぞれの材にはぞれぞれの良さが備わっていますので一概にどれが良いかを述べることは難しいことかもしれません。当工房はハンドメイドの製作をしていますのでご自分にあった楽器がどのようなものかを、逐次ご相談いただきながら価格とモデルを親切にご提案していますのでどうぞお気軽に御連絡をお願いいたします。また、象牙などではお客様からの材の持込みによる製作もお引き受けいたしますが、材が製作に不向きでると判断されるような場合はお引き受けいたしかねる場合もございます。ご自宅に眠っているハードウッド材があるような場合はお気軽にお問い合わせください。楽器の色合いなどに関しましては、ショッピングモールに掲載の画像なども御覧いただけます。
Q2:エコ・トラヴェルソとオリジナルモデルシリーズの違いは何でしょうか?
A2:エコシリーズとオリジナルシリーズでは材質の質やデザインが多少違ってきます。オリジナルモデルでは、普及価格商品のものよりワンランク上の素材を厳選して、外観やデザインをオリジナルに可能な限り近づけたしあげにいたします。よって、オリジナルシリーズでは納期も最低一年をみていただいています。エコシリーズでもオリジナル楽器を意識して製作される楽器はエコ・オリジナル・シリーズとして販売されています。
Q3:納期について教えてください。
A3:一般的な納期はエコシリーズでは、最低三ヶ月から半年、オリジナルシリーズでは最低一年以上と見てください。しかし、ハンドメイドによる材の管理では、天候その他の自然環境の影響や製作に携わっている職人の体調などの加減もあいまっていますので時間的に多少の誤差が生じる場合がありますことを十分ご理解いただき、お客様の側にも十分前もってご注文いただく心のゆとりをお持ちください。工房に在庫があるような場合はすぐに発送できます。また、時期的の状況により早ければ一ヶ月ぐらいでお届けできる場合もありますのでその都度お尋ねください。
Q4:最近オリジナルの楽器を手に入れましたが、うまく音がでません。修理していただけますか?
A4:修理できる場合と出来ない場合がありますので、とりあえず楽器を工房に送ってみてください。年代を経た歴史的な木管楽器を修復する場合はまずその楽器のデーターを十分にとりよく検討しなければなりません。修復しないほうがよい場合も出てきます。せっかくもっている楽器の音が聞きたい場合は楽器の計測後にコピーを製作し復元するという方法もありますので是非お問い合わせください。ただし、当工房は原則としてバロック時代の木管楽器を専門に扱います。また、当工房からの呼びかけですが、皆様の持っているオリジナル楽器は世界の遺産です。新しい光を当てるために楽器の計測図を作成されて公開することはいかがでしょうか。そのようにして文明の理知の奥深さを世界にPRするお手伝いをさせていただきます。
Q5:楽器のメンテナンス方法について教えてください。
A5:当工房ではお客様に対して楽器の取り扱い説明の概略を書いたシートを楽器のお渡しとともにお届けしています。世界にはいろいろなメーカーごとにメンテナンスの手法が多数存在しています。それは各メーカーごとに素材の処理方法や製造工程が異なっていることなどに起因します。一般的な楽器リペアでは悪いとされているような処置が歴史的木管楽器を扱う場合はよい場合も出てきます。わからない点がありましたらその都度こまめにお問い合わせください。特にリンシードオイルの塗り方などは千差万別で、中にはテレピン油などを混ぜたリンシードなどを塗るという情報も公開されているようですが、テレピン油は非常に強い溶媒ですからそのようなオイルを本体に塗ることは極力避けなければなりません。なぜなら、材の中に本来ある油脂分を不用意に溶かして曲がりやわれの原因を生じさせやすいからです。伝統的には混ぜ物のない亜麻仁油を管内部につかいます。画材屋などでリンシードを購入するときは注意が必要です。
Q6:トラヴェルソはモデルが異なると運指表は楽器ごとに異なっているのでしょうか?
A6:はい、異なります。しかし、ほとんど変わりません。当工房では2003年より楽器のお届けとともにそれぞれの楽器の運指標シートをお付けしています。ご希望の方にはお送りいたしますのでご連絡ください。
Q7:総象牙の楽器を購入したいのですが、代金支払いなどが気になります。よい方法がありますか・・・・?
A7:お問い合わせありがとうございます。モダンの総銀フルートを買うことを考えれば、それ以上に総象牙のトラヴェルソは非常に魅力ある一品になりますね。当工房ではお客様のニーズとお支払いの方法などに関しましてはこまめにコンタクトを取らせていただき、無理のないお支払い方法を検討させていただくことが出来ます。その楽器がほしいと思われる状況や環境、その楽器に対するご自身の決意、目的などを詳細にお知らせください。状況に応じてお見積もりやお支払いの方法をご提案させていただきます。その点でお気軽にお問い合わせくださいませ。
Q8:オトテール商会のヨーロッパ柘植はどんな柘植か?
A8:オトテール商会が使用している材は18世紀に楽器作りに使用されていた柘植とまったく同じ種類の材です。柘植といってもいろいろな種類があり、柘植といわれている材の中には厳密には本柘植に分類されず、きわめて本柘植の特徴に類似した質や加工が可能ということで柘植材の中に含められる木もあります。そのような材は本柘植の代替材として有用であり大量生産される楽器などに好んで使用されています。楽器のできもそれなりによいものができますので資源を有用に使用するという点では、そのような代替材を使うことは今後の地球環境を守る点でも大切なことといえるでしょう。ところで、歴史的に使用されてきた本柘植のヨーロッパ材は非常に楽器製作に適している上、貴重な資源です。私はこれまでいろいろな柘植材を楽器つくりに試してきたのですが、満足できず、兵庫県の唐木のダイキンの社長さまに何とか最高級のヨーロッパ柘植を入れてみてはと相談をさせていただきました。その結果本当に良心的で、ご親切な取り計らいを頂、その材が取り寄せられ、検分することができたのです。日本でこれほどまとまってヨーロッパ柘植が仕入れられたことは過去なかったことだと思います。そしてその材を使用してみた結果、なんともすばらしい質の材で、数百年前からヨーロッパで伝統的に使用されてきた最高級の材であることが判明。そのような材にめぐり合えた楽器製作家にとってそれがどんなにうれしく幸福なことであるか皆様にも想像いただけるのではないかと思います。まだ、このような大木で、身が引き締まったヨーロッパ柘植がこの地球に存在しているのだと思うと、それだけでこの時代に生まれた自分の命に感謝せねばならないという気持ちになりました。。その後私はすぐに日本中の製作家や楽器業者、愛好家の皆さんにこんな柘植が日本に入ることは画期的ですばらしいことなので、ぜひ皆様もこの木を使用されて楽器を作って見られてはという情報をお知らせすることになりました。と、そのようないきさつがあり当商会の使用する柘植は世界一の良木であることをお客様におしらせできますのは本当に喜ばしいことだと感じています。オトテール商会はその良木をさらにより分けて使用することにより、幅広い価格帯の楽器製作を手がけ、古楽器普及に努められればと思っています。




Q9:楽器の掲載価格について教えてください。また、オークション価格との違いは・・?
A9:オトテール商会の価格は定価ではありません。製作家自身が楽器モデルを一台一台仕上げるごとに、その仕様や出来栄えから自らで価格を設定しているため幅広い価格が存在しています。しかし、「エコシリーズ」などの商品に関してはだいたいの価格設定をしてご購入いただくお客様の目安をあらかじめ掲載しておりますが、例えば、エコシリーズとして製作し始めた楽器でも、完成してしまうと、大変に精度が高く美しい物ができてしまうこともしばしばで、そのような場合はオリジナルシリーズとしての価格を設定することもあります。製作家・竹佐は活動開始後、年毎に非常に精錬られた楽器を製作し続けていますので、このようなことはしばしば生じています。また、当工房では利潤優先の大量生産商品のような方式で楽器を販売しないので、市場の相場とはまるっきり異なる価格の楽器もありますからその点では大変ユニークだと思います。この点が良くわかる事例としては象牙製品のことが挙げられます。普通茶道具の棗を象牙で製作し販売する場合は販売価格は一つあたり50万から75万程度となります。総象牙製のフルートの場合そのような棗がどれほど出来るかを考えるときに、使われている材は棗4個から5個分もしくはそれ以上となります。ですから材料の最低ランクで考えても200万という勘定です。楽器というのは物を入れるというだけではなく音色を表現するための特別の器具ですから一般の置物などよりも価格設定は高く見積もらなければなりません。このような端的な比較からも簡単に理解できることですが、歴史的木管楽器は単に音の出る玩具ではないのです。製作家・竹佐はそのへんのことや自らの楽器制作活動全般のことを表現する言葉として「歴史的木管楽器製作芸術」と自ら言葉を作って表現しています。竹佐の作る楽器は単なる楽器ではありません。それはルノワールやゴッホなど巨匠の描いた絵画にも匹敵いたします。ですから高いものもあれば安いものもあるのは当然なのですね。芸術に対する眼力や芸術の評価に関する正しい認識がないと、どこかで販売されていた価格だけを目で追い回すことにだけに時間がとられてしまい、正当なものの価値を判断できるどころか、自分が本当に追求したいと思っているいるものとは関係のない情報や、人たちに自らの意思を心理的に操作されてしまう結果にもなりかねません。そのようにメディア錯覚の世界に縛られ閉じ込められてしまうことは、自らの自由な芸術性を育む点で何という徒労を招くことになることでしょう。しかし、そのような軽薄な事象とは相反して、製作家・竹佐は自らのハンドメイド楽器の普及価格での楽器販売と促進を長年考え続けています。というのは、竹佐自身が学生のころ何十万円もするV.FUENE 氏の楽器が買えなくて指をくわえて眺めていた時期があったからです。製作家の観点では、出来栄えや、材質などからは、ウン十万の価格でないと販売出来ない、また、したくない楽器でも、普及の観点から考えるときに・・・・どうだろうか?・・なかなかそのような楽器に手が出せないというような皆様のために竹佐は時々オークションサイトなどを活用して、思わぬ価格で憧れのバロック木管楽器を購入していただける特別な経路を用意しています。 そのようにして販売されるのは、ひとえに製作家の心がけ一つによる取り組みで、製作家自身の長年の体験をもとにさまざま要素を斟酌しバロック木管楽器の普及と愛好者の皆様への親愛を示す方法としている事の一つなのです。ですから、当工房のホームページに掲載されている販売価格とオークションサイトにおける落札価格などを比較しても、ご購入の際の有用な参考にしていただくことは出来ませんのでくれぐれも注意ください。モデルや価格、オーダーに関する詳しい情報は問い合わせフォームからいつでもお問い合わせができるようになっておりますのでお気軽にご活用ください。